「整骨院経営は厳しい」「接骨院は廃業ラッシュ」——そんな言葉を目にして、開業や運営に不安を感じている方は少なくないはずです。確かに柔道整復師と施術所の数は増え続け、保険請求も厳格化し、業界は「儲かる院」と「苦戦する院」の二極化が進んでいます。

しかし、整骨院経営が厳しいと言われる構造を正しく理解し、年収や利益率の決まり方、安定経営のための経営指標を押さえれば、リスクは十分にコントロールできます。本記事では、公開データと現場の実務目線で、整骨院経営の現状・収益構造・成功のポイント・開業準備までを網羅的に解説します。

後半では、予約・顧客管理・決済を一元化して経営を仕組み化する方法も紹介します。

この記事で分かること

  • 「厳しい」と言われる4つの構造的理由と、その裏返しの攻略法
  • 経営者の平均年収と、形態別に見た収入の目安
  • 利益率の水準と、毎月モニタリングすべき4つの経営指標
  • 二極化を勝ち抜く成功の6ポイントと、開業前に整理すべきこと
  • 予約・顧客管理・決済を一元化する「経営DX」の進め方

結論|勝ち筋は自費化・リピート・仕組み化の3点に集約される

供給過多・保険請求の厳格化・融資環境の変化で二極化は進んでいますが、勝ち筋は明確です。保険診療への依存から抜け、自費メニューで単価を上げ、リピートと数値管理を仕組み化できた院が安定・成長しています。目的別の方向性は次の早見表が目安です。

こんな店舗・目的おすすめの方向性
1人院で年収を上げたい自費メニューで客単価を上げ、次回予約とリマインドでリピート率を改善
これから開業する施術準備より先に事業計画と数値管理の土台を固める
新規集客が弱いMEO(Googleマップ)・口コミ・Web予約導線を整備して摩擦を減らす
事務作業に追われている予約・会計・顧客管理を一元化し、空いた時間を施術・接客へ
多店舗化を狙う店舗分析で指標を可視化し、仕組み化と人材育成で再現性を確保

まず自社のボトルネックがどこかを見極め、そこから着手するのが近道です。

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整骨院経営が厳しいと言われる4つの理由

経営が「厳しい」「儲からない」と言われる背景には、構造的な4つの要因があります。

1. 競合の増加による供給過多 柔道整復師は「独立開業しやすい国家資格」とされ、施術所数は長期的に増加してきました。厚生労働省の統計でも柔道整復の施術所は全国で数万件規模に達し、就業柔道整復師は7万人を超える水準で推移しています。地域内に整骨院・接骨院がひしめき、限られた患者を奪い合う供給過多の状態が、経営を圧迫しています。

2. 療養費(保険)請求の厳格化 かつては保険診療中心でも一定の収益を確保できましたが、療養費の不正請求問題を受けて審査・点検が年々厳格化しました。受領委任の取り扱いや部位数の制限など、保険診療だけに依存するモデルは収益が頭打ちになりやすく、経営の難易度を押し上げています。

3. 資金調達・融資環境の変化 開業時の融資審査も以前より慎重になっており、十分な自己資金や説得力のある事業計画がなければ希望額の調達が難しくなっています。運転資金が薄いまま開業すると、軌道に乗る前に資金繰りが行き詰まるリスクがあります。

4. 経営ノウハウの不足 施術の技術は高くても、数値管理・集客・人材・リピート施策といった経営スキルを学ぶ機会が少ないまま開業するケースが多く、これが廃業の大きな要因です。経営は「施術業」であると同時に「サービス業の経営」であるという認識が欠かせません。

これらの理由は裏を返せば「差別化・自費化・仕組み化で対応できる課題」でもあります。次章以降で、収益構造とその攻略法を具体的に見ていきます。

整骨院経営者の平均年収はいくら?

経営における経営者の年収は、経営形態によって大きく異なります。全国平均ではおおむね約400〜600万円が目安とされますが、自費比率や規模、地域によって幅があります。ここでは形態別に年収の考え方を整理します。

経営形態年収の目安ポイント
1人整骨院(個人院)約400〜600万円施術と経営を1人で兼任。客単価とリピート率が直結
スタッフ複数雇用約600〜900万円施術枠が増え売上拡大も、人件費負担が増える
複数院(グループ経営)1,000万円以上も可経営者は管理業務中心。仕組み化と人材育成が鍵
自費比率が高い院全体平均より高め高単価メニューで利益率が向上しやすい

年収を左右する最大の変数は「客単価 × 1日の施術人数 × 営業日数 × リピート率」と、そこから差し引く「ランニングコスト」です。たとえば自費中心で客単価5,000円・1日12人・月25日稼働なら月商150万円・年商1,800万円となり、家賃・材料費・広告費・人件費を差し引いた残りが経営者の所得になります。

開業直後は赤字や低収入になりやすく、認知が広がりリピーターが定着する2〜3年目以降に年収が安定していく傾向があります。経営で高年収を実現している院ほど、保険診療に依存せず自費メニューを充実させ、固定客の来院サイクルを管理している点が共通しています。

整骨院の利益率と押さえるべき経営指標4つ

経営を安定させるには、感覚ではなく数値で経営状態を把握することが不可欠です。利益率の目安と、最低限モニタリングすべき4つの経営指標を整理します。

利益率 利益率は「利益 ÷ 売上高」で算出します。整骨院の営業利益率は10%前後が一つの目安とされますが、自費比率を高めると材料費・保険請求事務の負担が相対的に下がり、利益率を15%以上に引き上げることも可能です。

押さえるべき4つの経営指標

指標計算式・目安なぜ重要か
客単価売上 ÷ 来院数(自費なら5,000円前後が一つの基準)単価を上げれば人数を増やさず売上を伸ばせる
1日来院数1日あたりの施術人数(1人院なら12人前後が上限の目安)施術キャパの上限と稼働率を把握できる
リピート率再来院者数 ÷ 全来院者数新規より低コストで売上が安定する核
固定費比率家賃・人件費などの固定費 ÷ 売上損益分岐点と資金繰りの余力を測る

経営において見落とされがちなのが「離脱率の管理」です。新規をいくら集めても、初回で離脱されれば広告費が回収できません。客単価・来院数・リピート率を毎月記録し、どこがボトルネックかを特定することが、利益率改善の第一歩になります。これらの指標を手作業の紙台帳で管理するのは限界があり、後述するデジタル化が効果を発揮します。

整骨院経営を成功させる6つのポイント

供給過多で厳しい環境でも、成功している整骨院は確かに存在します。経営を軌道に乗せるための実践ポイントを6つにまとめます。

1. コンセプトとポジショニングを明確にする 「誰の、どんな悩みを、どう解決する院なのか」を一言で言語化します。スポーツ障害特化、産後骨盤ケア特化、慢性腰痛特化など、対象を絞るほど競合との差別化が効き、口コミも生まれやすくなります。

2. 立地にこだわる 来院は通いやすさに強く依存します。ターゲット層の生活動線(駅前・住宅地・ロードサイドなど)に合わせた立地選定が、経営の初速を左右します。

3. 自費診療メニューを導入する 保険診療だけに頼らず、骨盤矯正・スポーツコンディショニング・美容系メニューなど高単価の自費メニューを設計します。利益率と単価が上がり、保険制度の変化に左右されにくい収益基盤になります。

4. 集客・宣伝に力を入れる Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)対策、口コミの獲得、LINEやSNS運用は今や必須です。Web予約の導線を整え、見つけてもらってから予約完了までの摩擦を減らすことが新規獲得の鍵です。

5. リピーターを獲得する仕組みを作る 回数券・サブスク・次回予約の声かけ・自動リマインドなどで来院サイクルを設計します。リピート率の数ポイントの改善が、年間売上に大きく効きます。

6. コストを賢く削減する材料費・広告費・予約管理の人件費などを見直し、ムダな固定費を抑えます。

特に予約・会計・顧客管理の事務作業を効率化すれば、その分を施術や接客に充てられます。

これらは「集客」「単価」「リピート」「コスト」の4軸に集約されます。経営の安定化には、4軸を同時に底上げする仕組みづくりが欠かせません。

関連して、整骨院・整体院の集客の考え方や顧客管理の基本も参考になります。

整骨院を開業する際にまず整理すべきこと

これから経営を始める方は、施術の準備の前に経営面の土台を固めることが成功率を大きく高めます。最低限、次の項目を開業前に整理しましょう。

事業計画を立てる どんなコンセプトで、どの市場・顧客を狙い、どんな収支・キャッシュフローで運営するのかを数字に落とし込みます。客単価・来院数・リピート率の前提を置き、損益分岐点と回収期間を試算しておくことで、融資交渉でも説得力が増します。

資金計画と資金調達 物件取得費・内装・施術機器・広告費・当面の運転資金を洗い出します。開業直後は売上が読みにくいため、最低でも数か月分の運転資金を確保しておくことが、経営を立ち上げ期に倒れさせないための保険になります。

立地・物件選定と必要手続き ターゲット層の動線に合った物件を選び、施術所の開設届など必要な行政手続きを把握します。

集客と予約・顧客管理の仕組みを開業時から用意する意外と後回しにされがちですが、開業初日から予約・顧客管理・決済の仕組みを整えておくと、初動の取りこぼしを防げます。紙台帳や電話予約だけでスタートすると、患者情報の管理やリピート施策が属人化し、規模拡大時に作り直す手間が発生します。

最初からデジタルで仕組み化しておくことが、経営の中長期の安定につながります。

予約まわりの設計は予約システムの選び方や予約管理の実務も合わせてご確認ください。

予約・顧客管理・決済を一元化する「整骨院経営DX」

ここまで見てきたように、経営の安定には「集客・単価・リピート・コスト」を数値で管理し、仕組みで回すことが欠かせません。これを支えるのが、予約・顧客管理・決済・店舗分析を一つにまとめる経営DXです。

院の現場でよくあるのが、予約は電話とノート、顧客カルテは紙、回数券は手書き、売上集計は月末にまとめて——という分断された運用です。これでは、リピート率や客単価といった経営指標がリアルタイムで見えず、施策の効果検証もできません。

そこで候補になるのが、これらを1つのアプリに統合できる Gym’s(ジムズ) です。

Gym’s は「予約・顧客管理から店舗分析や決済まで、全部できるアプリ」をコンセプトに、フィットネス・美容・健康業種(整体・整骨院・鍼灸を含む)向けに提供されているオールインワンSaaSです。

経営課題Gym’s の機能例
予約の取りこぼし・電話対応の負担Web予約・体験予約・予約自動制御・自動リマインド
顧客情報・カルテの属人化顧客管理(CRM)・顧客データ分析・体組成データ管理
回数券・サブスクの管理が煩雑定期課金(口座振替対応)・回数券(チケット)管理・支払い管理
経営指標が見えない店舗分析・AI店舗分析・売上分析
多店舗・スタッフ管理複数店舗管理・権限管理・トレーナー別管理

料金は月額12,800円〜・決済手数料0.5%〜で、規模を限定せず個人院から多店舗・大型施設まで対応します。予約から決済・分析までを一気通貫で扱えるため、これまで手作業に費やしていた時間を施術と接客に振り向けられます。

経営の数値管理と業務効率化をまとめて進めたい方は、まずは情報収集から始めるのがおすすめです。詳しくは 無料導入相談・資料請求 からご確認いただけます。

整骨院経営の改善事例

ここでは、仕組み化によって経営を改善した取り組みのイメージを2つ紹介します(数値は一般的な改善幅をもとにしたモデルケースです)。

事例1:自費メニュー導入+リピート設計で年収が改善した個人院保険診療中心で客単価が伸び悩んでいた1人整骨院が、骨盤矯正などの自費メニュー(客単価5,000円前後)を導入。次回予約の声かけと自動リマインドを徹底し、リピート率を約60%から70%台へ改善しました。

来院数を大きく増やさずに月商が向上し、経営者の年収が安定圏に乗った、という改善パターンです。

事例2:予約・決済の一元化で事務工数を削減した院 電話予約と紙台帳で運用していた院が、Web予約と回数券・定期課金のデジタル管理に切り替え。予約受付や会計・集計にかかっていた事務作業が大幅に圧縮され、その時間を施術・接客に回せるようになりました。同時に店舗分析で客単価・リピート率が可視化され、どの施策が効いているかを毎月確認できる体制が整いました。

いずれの事例にも共通するのは、「自費化による単価向上」「リピートの仕組み化」「数値の可視化」という経営の王道を、属人的な努力ではなくツールで再現可能にしている点です。

まとめ:二極化時代の整骨院経営を勝ち抜くために

経営は、競合の増加・保険請求の厳格化・融資環境の変化を背景に、儲かる院と苦戦する院の二極化が進んでいます。しかし、本記事で見てきたように、勝ち筋は明確です。

  • 「厳しい」と言われる構造(供給過多・保険厳格化・資金・ノウハウ不足)を正しく理解する
  • 経営者の年収は形態と自費比率・リピート率で決まると認識する
  • 客単価・来院数・リピート率・固定費比率の経営指標を毎月モニタリングする
  • コンセプト明確化・立地・自費化・集客・リピート・コスト削減の6ポイントを実践する
  • 開業時から予約・顧客管理・決済を仕組み化し、取りこぼしを防ぐ

施術の技術に加えて「経営を数値と仕組みで回す」視点を持てば、厳しいと言われる環境でも経営は十分に安定・成長させられます。

予約・顧客管理・決済・店舗分析の一元化から始めたい方は、無料導入相談・資料請求をご利用ください。整体・接骨院の経営に役立つ情報は、整体院・接骨院カテゴリでもまとめて確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 整骨院は儲かりますか? A. 需要は底堅く、自費メニューやリピート施策が機能すれば年収1,000万円以上を実現する院もあります。一方、保険診療だけに依存する院は供給過多のなかで厳しいのが実情で、立地・コンセプト・自費比率・リピート率の設計によって二極化します。

Q. 個人経営の整骨院の年収はいくらですか? A. 1人院ではおおむね400〜600万円が目安です。自費比率やリピート率が高い院では700〜800万円超も見られますが、保険中心で集客が弱いと300万円台にとどまることもあります。

Q. 1人整骨院の売上の平均はいくらですか? A. 月商は「客単価 × 1日施術人数 × 営業日数」で決まります。自費中心で客単価5,000円・1日12人・月25日稼働なら月商150万円・年商1,800万円が一つの目安で、ここからランニングコストを引いた額が所得になります。

Q. 整体院のオーナーの年収は? A. 整体院も整骨院と同様に幅があり、個人院で約400〜600万円、多店舗化に成功したオーナーは1,000万円以上のこともあります。整体は自費前提のため、価格設定とリピート設計が年収を大きく左右します。

Q. 整骨院経営が厳しいと言われるのはなぜですか? A. 競合の増加による供給過多、療養費請求の厳格化、融資環境の変化、経営ノウハウ不足の4点が主な理由です。保険診療頼みのモデルが通用しにくくなっています。

Q. 整骨院経営を安定させるには何から始めればよいですか? A. まず事業計画と数値管理の土台づくりです。客単価・来院数・リピート率・自費比率を可視化し、コンセプトとターゲットを明確にしたうえで、予約・顧客管理・決済を仕組み化してリピートを取りこぼさない体制を整えることが近道です。